進歩的文化人のファシズム

  さて、上からの猿真似近代化をスタートした日本人の思想界。自ずとマスコミや評論家の論調も根っこのない表面をなぞったような薄っぺらいものになり、極端な一方向に流れやすくなります。

  戦前であれば、富国強兵の国是をさらに推し進め、日独伊三国同盟に突っ走った「新東亜秩序」「バスに乗り遅れるな」理論。既に世界では帝国主義が過去の物になりつつある時期に、今更のように帝国主義を押し進めようとしました。その姿勢は今日の進歩的文化人にも健在です。

  我が国の「進歩的」文化人、「進歩的」マスコミの主張は、公民権運動の頃からアメリカの影響を受けて、マイノリティの権利を飯の種にするようになりました。同和や在日差別。何かネタにできる差別がないか、探し回り、在日の参政権などの問題を発掘してきました。真骨頂が従軍慰安婦問題の創作です。朝日新聞が吉田清二氏の創作を誤報した経緯の説明は省きます。要は商売にしてきた在日や韓国差別ネタも、創作までして過激化しないと、いい加減飽きられ、ネタも尽きて来たということです。(まとめサイトだの、ヘイトだの、左右で細々盛り上げようとしてますが、いかんせん、しょっぱいサブカル感が否めません。)

  そこで、最近華やかな主役になりつつあるのが、ジェンダーLGBT差別問題です。LGBTジェンダーの問題にどれだけ理解があるかが評論家の進歩度を測るバロメーターになり、評論家、マスコミは競うように、過激なジェンダーフリー主張に創造性を発揮するようになりました。

  今や女性の貞操重視や出産奨励につながるような考えは危険思想と看做され、表立って表明することははばかられるようになりました。秘密警察のように、政治家や有名人の「性差別的な発言」を監視し(私が言うのもなんですが)、発見するや否や激しく糾弾するようになりました。

  国民の多くが本音では、ジェンダーフリーの流れに疑問を持ちながらも、そのような発言は匿名の落書のような形で行うしかなく、大手マスコミでは過激なジェンダーフリー発言だけが大手をふってまかり通るようになりました。